顔面神経麻痺｜久喜市・久喜中央・久喜駅　久喜中央接骨院

顔面神経麻痺とは、顔の筋肉を動かす顔面神経が障害を受けることで、表情を作ることが難しくなる疾患です。

「顔がゆがむ」「口から水がこぼれる」「目が閉じにくい」などの症状が現れ、年間10万人あたり約50人が発症するとされており、約2割以上の患者に後遺症が残るといわれています。

✅ 片側の顔が動かしにくい、歪む

✅ 目が閉じにくい、乾燥しやすい

✅ 口角が下がり、食べ物や水がこぼれる

✅ ほうれい線が消える、笑えない

✅ 涙や唾液の分泌低下、味覚の異常

✅ 音が響く（聴覚過敏）

🔹 1. ウイルス感染によるもの

顔面神経麻痺の中で最も多いのがウイルス感染によるものです。特に**「ベル麻痺」と「ハント症候群」**が代表的です。

(1) ベル麻痺（Bell’s palsy）

・全顔面神経麻痺の約60%以上を占める

・単純ヘルペスウイルス（HSV-1）の再活性化が原因

・突然顔が動かなくなることが特徴

・ほとんどのケースで8割程度が回復するが、後遺症が残ることもある

(2) ハント症候群（Ramsay Hunt症候群）

・全顔面神経麻痺の約20%を占める

・水痘・帯状疱疹ウイルス（VZV）の再活性化が原因

・耳の痛み、耳周囲の水ぶくれ、めまい、難聴を伴うことが多い

・ベル麻痺よりも回復率が低く、後遺症が残るリスクが高い

🔹 2. 外傷・手術後の影響

・頭部外傷や顔面の骨折によって神経が損傷

・耳鼻咽喉科や脳神経外科の手術後に発生することもある

・腫瘍（脳腫瘍・耳下腺腫瘍など）の摘出手術で神経が傷つく場合もある

🔹 3. 脳卒中（脳血管障害）

・脳梗塞や脳出血の影響で顔面神経が障害を受けることがある

・顔面神経麻痺のほかに、呂律が回らない・手足の麻痺などが伴う

・緊急の治療が必要なので、疑わしい場合はすぐに病院へ

🔹 4. 生まれつきの顔面神経麻痺

・胎児期の発育異常による先天性の顔面神経麻痺

・メビウス症候群、第1・第2鰓弓症候群などが原因となることがある

顔面神経麻痺の診断は、症状の確認だけでなく、原因特定のための検査が重要です。

主な診断方法

✅ 徒手検査（目を閉じる・口をすぼめるなどの動作テスト）
✅ 電気診断（神経伝導検査）
✅ MRI・CT（腫瘍や脳卒中の鑑別）
✅ 血液検査（ウイルス感染の有無を調べる）

顔面神経麻痺の治療

顔面神経麻痺は、発症後の早期治療が回復率を左右するため、発症3日以内に耳鼻咽喉科・神経内科・脳神経外科を受診することが重要です。

🔹 1. 薬物療法

💊 ステロイド（プレドニゾロン）

・炎症を抑え、神経の損傷を軽減する

・発症72時間以内に開始することで回復率が向上

💊 抗ウイルス薬（アシクロビル・バラシクロビル）

・ウイルス感染（ベル麻痺・ハント症候群）に対して有効

・ステロイドと併用することが推奨される

💊 ビタミンB12（メコバラミン）

・神経の回復を促進

🔹 2. リハビリテーション

✅ 顔面筋リハビリ

・顔の筋肉が硬くならないように、軽いストレッチやマッサージを行う

・過剰な刺激（低周波治療・鍼など）は逆効果になることもあるため、専門家の指導のもとで実施する

✅ 顔面神経リハビリテーション

・顔面神経麻痺リハビリテーション指導士の指導のもとで適切な訓練を行う

✅ ボツリヌス治療（ボトックス）

・後遺症として筋肉がこわばった場合に有効

顔面神経麻痺の予後（回復率）

・適切な治療を早期に開始した場合、約80%の患者が回復

・重症例では、回復までに6か月以上かかることもある

・ハント症候群は、ベル麻痺よりも回復率が低く、後遺症が残ることが多い

顔面神経麻痺の予防

💡 ウイルス感染を防ぐ（ヘルペス・帯状疱疹ウイルス対策）
💡 ストレス管理（疲れやストレスが免疫低下を引き起こす）
💡 バランスの取れた食事（ビタミンB群を積極的に摂取）
💡 十分な睡眠と適度な運動

まとめ

✔ 顔面神経麻痺は、顔の筋肉を動かしにくくなる病気

✔ 主な原因はウイルス感染（ベル麻痺・ハント症候群）

✔ 発症3日以内の治療開始が回復率を大きく左右する

✔ ステロイド・抗ウイルス薬が有効

✔ 適切なリハビリが後遺症予防につながる

「顔が動かない」「目が閉じにくい」「口から水がこぼれる」などの症状が現れたら、すぐに耳鼻咽喉科や神経内科を受診しましょう！