肘部管症候群
肘部管症候群とは?|久喜中央接骨院
肘部管症候群(ちゅうぶかんしょうこうぐん)とは、肘の内側にある「尺骨神経」が圧迫されることで発症する神経障害です。手の小指側や薬指にしびれや痛みが生じ、進行すると指の動きが悪くなり、物をうまくつかめなくなることもあります。
肘部管(ちゅうぶかん)は、肘の内側を通る「尺骨神経」が骨や靭帯に囲まれたトンネルのような構造の部分です。この部分で尺骨神経が圧迫されたり、引き伸ばされたりすることで神経の働きが悪くなり、痛みやしびれ、筋力低下などの症状が現れます。
肘部管症候群の主な症状|久喜中央接骨院
✅ 手の小指側や薬指にしびれが出る
✅ 肘の内側から手の指にかけて痛みを感じる
✅ 小指と薬指をうまく動かせない、力が入りにくい
✅ ボタンをかけたり、お箸を持つのが難しくなる
✅ 肘を曲げているとしびれや痛みが強くなる(スマホ操作、本を読むときなど)
✅ 手の甲の骨が浮き出てくる(筋肉がやせる)
✅ 「鷲手(わしで)変形」(進行すると、小指と薬指が伸びにくくなり、曲がった状態になる)
症状が進行すると、手の感覚や運動機能が著しく低下し、日常生活に支障をきたすことがあります。
肘部管症候群の原因|久喜中央接骨院
1.肘の使いすぎ・繰り返しの負担
・スポーツ(野球、テニス、バレーボール、柔道など肘を酷使する競技)
・パソコン作業(長時間のタイピング、マウス操作で肘を曲げ続ける)
・仕事での負担(重いものを持ち上げる、手を使う作業が多い)
2.肘の変形
・加齢による肘の変形(変形性肘関節症)
・幼少期の骨折による後遺症(肘が外向きに変形する「外反肘」)
・ガングリオン(良性の腫瘍)による圧迫
3.姿勢や習慣の影響
・寝るときに肘を曲げて寝る癖がある
・頬杖をつくことが多い
肘部管症候群の治療方法|久喜中央接骨院
① 保存療法(軽症~中等症の場合)
🔹 日常生活の工夫
・長時間肘を曲げないようにする
・枕を高くしすぎず、腕を自然な位置で休ませる
・頬杖や長時間のスマホ操作を避ける
🔹 ストレッチ・エクササイズ
・手首や肘のストレッチを行い、筋肉を柔らかく保つ
・肩の回旋運動や軽いストレッチで血流を改善する
🔹 装具療法
・夜間装具(ナイトスプリント)を使用し、肘を伸ばした状態を維持する
・コルセットやサポーターを活用する
🔹 物理療法
・温熱療法(ホットパック)で血流を改善
・低周波治療で神経の回復を促進
🔹 薬物療法
・消炎鎮痛剤(湿布・内服薬)を使用し、痛みや炎症を抑える
・ビタミンB12の投与(神経の修復を促進)
② 手術療法(重症の場合)
保存療法で改善しない場合や、筋力低下・手の変形が進行している場合は手術が検討されます。
✅ 尺骨神経前方移行術(圧迫を避けるために神経の位置をずらす手術)
✅ 肘部管開放術(肘部管の圧迫を取り除く手術)
✅ 神経剥離術(癒着を剥がし、神経を解放する手術)
手術後は、リハビリを行いながら徐々に神経の回復を促すことが重要です。
肘部管症候群の予防方法
✔ 長時間肘を曲げない(パソコン作業、スマホ使用時の姿勢を見直す)
✔ ストレッチを習慣化する(手首・肘・肩を定期的にほぐす)
✔ 適度な筋力トレーニング(肘や肩の筋力を強化し、負担を減らす)
✔ 肘に負担をかける動作を避ける(頬杖や長時間の肘の曲げ伸ばしを減らす)
✔ 適切な睡眠姿勢を意識する(肘を伸ばした状態で寝る)
肘部管症候群を放置するとどうなる?
✅ しびれが慢性化し、手の感覚が鈍くなる
✅ 指の動きが悪くなり、細かい作業(ボタンをかける、字を書く、お箸を使う)が困難になる
✅ 筋肉が萎縮し、「鷲手変形(小指と薬指が曲がったままになる)」が進行する
✅ 進行すると手術が必要になり、回復に時間がかかる
早期の対策が重要です。「少しのしびれだから大丈夫」と放置せず、症状を感じたら早めに医療機関を受診しましょう。
まとめ
🔹 肘部管症候群は、肘の内側を通る「尺骨神経」が圧迫されることで発症する神経障害
🔹 小指・薬指のしびれや痛み、指の動きの低下が主な症状
🔹 スポーツやパソコン作業、加齢や過去の骨折が原因になる
🔹 軽症ならストレッチ・装具療法・薬物療法などの保存療法が有効
🔹 進行すると「鷲手変形」など手の機能障害が起こり、手術が必要になることも
🔹 日常生活での予防が大切(ストレッチ、正しい姿勢、負担軽減)
肘部管症候群は早期に適切なケアを行えば改善する可能性が高い疾患です。しびれや違和感を感じたら、早めの対策を心がけましょう!