頚椎症｜久喜市・久喜中央・久喜駅　久喜中央接骨院

頚椎症とは、加齢による変性により、首の骨（頚椎）やその間にある椎間板が変化し、神経や脊髄が圧迫されることで起こる疾患です。

首や肩の痛み、手のしびれ、運動障害など、さまざまな症状を引き起こします。特に40歳以上の方に多く見られ、年齢とともに発症率が高まります。

・朝起きると首がこわばっている

・首を後ろに反らすと痛みやしびれが出る

・手や腕のしびれが気になる

・ボタンをかけるのが難しい、箸が使いにくい

・頭痛や肩こりがひどい

・背中の痛みが気になる

・歩行時にふらつく

これらの症状が当てはまる場合、頚椎症の可能性があります。

頚椎症は主に加齢による変性が原因となります。頚椎を構成する椎間板は、水分を多く含み、首の動きをサポートするクッションのような役割を果たしています。

しかし、加齢とともに水分量が減少し、クッション性が失われることで椎間板が変形し、頚椎に負担がかかります。

この変性により、骨棘（こつきょく：骨のとげのような突起）ができたり、靭帯が厚くなったりすることで脊髄や神経が圧迫され、痛みやしびれが生じるのです。

また、姿勢の悪さや長時間のデスクワーク、運動不足も頚椎症の発症リスクを高める要因となります。

頚椎症は、神経の圧迫部位によって以下の2つに分類されます。

① 頚椎症性神経根症

脊髄から枝分かれした神経根が圧迫されることで生じます。

・片側の首・肩・腕・手に痛みやしびれが出る

・腕の筋力低下や感覚異常が起こることがある

・上を向く（頚椎の伸展動作）と症状が悪化しやすい

② 頚椎症性脊髄症

脊髄自体が圧迫されることで生じます。

・両手足がしびれる、動かしにくい

・細かい動作が困難（ボタンが留めにくい、箸が使いにくい）

・脚のもつれや歩行困難（階段の昇降がしづらくなる）

・転倒しやすくなる

脊髄症は、放置すると進行し、手足の麻痺が残る可能性があるため、早めの対応が重要です。

頚椎症の診断

① 問診と触診

・症状の発生時期や痛みの強さ、しびれの有無を確認

② 画像診断

・レントゲン（X線）：骨の変形や骨棘の有無を確認

・MRI（磁気共鳴画像）：脊髄や神経の圧迫を詳細に確認

・CT（コンピュータ断層撮影）：骨の変化を詳しく解析

③ 神経学的検査

・アドソンテスト：首を反らせるとしびれや痛みが強くなるか確認

・腱反射検査：膝や腕の反射の異常を調べ、脊髄症の有無を評価

頚椎症の治療法

1.保存療法（手術をせずに改善を目指す方法） 症状が軽度～中等度の場合、多くは保存療法で改善が期待できます。

・安静にする

・消炎鎮痛剤（湿布や内服薬）

・ビタミンB群の補充（神経の回復を助ける）

・温熱療法（血流を改善し、筋肉のこわばりを和らげる）

・頚椎カラー（首の負担を軽減する装具）

・ストレッチやリハビリ（適切な運動で首周りの筋力を維持）

2.手術療法 保存療法で症状が改善しない場合や、脊髄症が進行している場合は手術が必要になることがあります。

・椎弓切除術：脊髄の圧迫を取り除く

・頚椎前方除圧固定術：椎間板や骨棘を取り除き、骨を固定する

・人工椎間板置換術：変形した椎間板を人工のものに置き換える

頚椎症を予防するには？

1.正しい姿勢を心がける

・長時間のデスクワーク時はこまめに休憩を取る

・スマートフォンを長時間見ない（首を前に倒す姿勢はNG）

・枕の高さを調整し、適切な寝姿勢を維持する

2.適度な運動を取り入れる

・ストレッチや軽いエクササイズで首・肩の柔軟性を保つ

・背筋や腹筋を鍛え、首に負担をかけにくい体を作る

3.頚椎に負担をかけない生活を心がける

・重い荷物を持つときは、できるだけ体に近づける

・寒さによる筋肉の緊張を防ぐため、首元を温める

・枕の高さや硬さを適切に調整する

まとめ

頚椎症は加齢や姿勢の悪さによって生じる首の疾患で、首の痛みや肩こり、手足のしびれなどの症状を引き起こします。

特に、頚椎症性脊髄症は放置すると進行し、手足の麻痺や歩行困難につながることがあるため、早期の診断と適切な治療が重要です。

適切な生活習慣を心がけ、頚椎への負担を軽減することで、症状の予防や改善につながります。もし症状が気になる場合は、早めに専門医に相談しましょう。